平成13年株主総会 株主総会は企業実態の覗き窓
株主総会に経営トップの関心が高い。その理由は、従来では、主として特殊株主に対応することへの気の重さであり、今後は、投資家である株主に対する投資情報の提供が十分理解されたかに対する心配である。
しかし、株主総会を開催する準備段階で、当該企業における経営の実態を把握することが不可欠である。その実態の中には、当該企業における不祥事・クレーマーの存在・役員等に関するスキャンダル等が含まれる。その意味で、企業経営の光と影の両面に直面することになる。
この企業における光と影を知ることは経営者トップについて、極めて重要なことである。悪い情報が日常的に入る経営トップにはいえないが、そうでない経営トップには、大げさに言えば、企業経営における現実的経営課題がはっきりするからである。その意味で、株主総会は企業実態の覗き窓である。したがって、経営トップにとって、株主総会は経営実態を確認する覗き窓として、重要性を意識すべき時期に来ている。
さらに、勇気があり、経営に自信がある経営者トップであれば、株主総会のリハーサルで企業実態に関する歯に衣を着せない質問をさせて、それに対し十分な説明をするようにすることである。特殊株主対策のリハーサルよりある意味では経営者としてきついリハーサルになるが、質問が的確であれば経営者トップとして良い勉強の場となろう。
株主総会を単に議案の賛成を取る場としての理解しかない経営者は、経営効率を重視する今後の投資家である株主の厳しくなる質問に対応できるのか疑問である。経営トップも株主総会のもつ経営実態をあらわにする場を利用して、説明能力を磨く時代がきているのではないか。
(文責 鳥飼重和)
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