実践!不服申立 第2回 ~更正処分~

 さて、前回スタート致しました「実践! 不服申立」ですが、今回からは、順を追って「では、実際にはどうやるのか」ということをご説明していきます。
 そこで、「第2回~更正処分~」では、その不服申立を行うはめになった原因の、「更正処分」についてお話しをさせて頂きます。
 このコーナーでは、まず「1.法律の条文」を書いて、そして「2.その法律の意味」をごくごく簡単に説明して、最後に「3.実例を使いながら手続きを解説」していきます。
 ちょっと気になる点は、「一口メモ」として文章の最後に書いておきますので、興味のある方はそちらも読んでみて下さい。

国税通則法第24条(更正)

税務署長は、納税申告書の提出があつた場合において、その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたとき、その他当該課税標準等又は税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する。

 「更正処分」、いやな言葉ですね。
 上の法律は要するに、「会社が申告した金額と税務署が計算した金額が違った場合(※一口メモを参照)は、税務署が計算した金額で納税しろ」と言うことが出来るということです。
 では、実際の更正通知書を見てみましょう。
 注目すべきところが、いくつかあります。

その1
更正処分の対象となった納税者が記載されています。

ここでは、「法人」が更正処分の対象者となっています。従いまして、不服の申し立てをするのは「法人」です。

その2
更正処分をした日付が記載されています。

ここは必ず見て下さい。「いつ更正処分がされたか」ということを知ることが出来るのはここです。

その3
更正処分をした人の名前が記載されています。

誰が貴方を処分したのでしょうか?通常は「××税務署長」と書かれています。

その4
更正処分の対象となった内容が記載されています。

税務調査で問題となった点で、どの期間の申告が更正処分の対象となったかが書かれています。

その5
更正処分の対象となった課税標準や税額等が記載されています。

更正処分でいくら所得金額や税額が増えるのでしょうか?金額に間違いはありませんか?

その6
加算税の種類と額が記載されています。

更正処分をされる場合、よほどの理由がなければ「加算税」が掛けられます。

その7
更正処分の内容に納得がいかない場合の、不服申立先が記載されています。

ここも必ず見て下さい。この処分に納得がいかない場合に「どこに、いつまでに」不服申立をすれば良いのか書かれています。

 これが実際の更正通知書です。通知書を受取ったら、慌てずにこれらの個所を見て下さ
い。色々と大事なことが書かれています。

 では、次回は、~更正の理由~についてお話しをさせて頂きます。

一口メモ 「更正」はいつも税金を増やすことばかりではありません。税金を減らす処分も「更正」になります。減らしてくれることはあまり無いですけどね・・・。
(文責 税務部:高田貴史)

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