安定配当重視

 安定配当志向は最近始まったわけではない。前から、会社としても減配に対する抵抗感は強かった(1月25日日経「イマドキ株主還元」参照)。

 利益に対する配当の指標として「配当性向」というのがあるが、実際はあまり重視されてこなかったと思われる。さらに、イマドキの傾向とすれば、アクティビストの脅威により、安定株主(ここでは、長期保有かつ議決権行使に興味のない株主)として個人株主が重視されるようになった。個人株主は昔から配当重視である。その個人がNISAで長期間保有してくれればこれに越したことはない。そのためには安定かつ高い配当が求められるという単純な構図だ。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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