Q 固定資産の登録価格を法的に争うにはどうすればよいか?
A 自治体は、毎年3月31日までに、固定資産の価格(評価額)を決定し、これを固定資産課税台帳に登録します(地方税法410条1項、411条1項、2項)。そして、この課税台帳の登録価格に基づいて固定資産税の金額が計算されます。したがって、自治体による固定資産の評価に不服がある場合、法的には、自治体による固定資産の登録価格を争うことになります。
自治体による固定資産の登録価格を法的に争うには、まずは各自治体の固定資産評価審査委員会に対し、「審査申出」を行う必要があります。最初から訴訟を提起することはできず、審査申出を経た上で訴訟を提起する必要があります。
審査申出ができるのは、実務上は、3年に1度の評価替えの年(基準年度)に限られます。評価替えの年は、その固定資産の評価に影響を及ぼす全ての事項が審査申出の対象となりますが、それ以外の年は、土地については分合筆や地目の変換、地価の下落等、建物については増改築等に関する事項しか審査申出の対象にならないためです(地方税法432条1項但書)。
また、審査申出は、納税通知書の受領後、3か月以内に行わなければなりません(地方税法432条1項本文)。
以上のとおり、自治体による固定資産の登録価格を争うには、3年に1度の評価替えの年(令和3年、6年のように令和の3の倍数の年)に、納税通知書が届いてから3か月以内に審査申出をする必要があります。納税通知書が届いてから3か月以内に登録価格に誤りがないか調査の上、審査申出を行うというのは容易なことではないため、前もって準備をする必要があります。
固定資産評価審査委員会の審査の決定に不服がある場合には、決定があったことを知った日から6カ月以内に訴訟を提起する必要があります。
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