相続には信託

 相続預金のつなぎ止めのために、地域金融機関が本体による信託ビジネス参入を図る動きが見える。人間が絶対に避けられないイベントとして「死→相続」がある。高齢社会から多死社会に移行するにつれ、個人ビジネスの有力ゾーンは資産運用から資産承継に移る。

 これまでせいぜい信託銀行の代理店としてその余禄を得てきただけの地域金融機関。今後は相続預金のつなぎ止めに留まらず、相続時の遺言や遺産整理で資産承継ビジネスの根幹をやろうとしているのだろう。規模を拡大するときの合併においても信託業務の免許を持っていることは強みになるだろう。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

関連するコラム

奈良 正哉のコラム

一覧へ