内部通報こそ切り札

 内部通報の活用があまり進んでおらず、通報者の30%程度が通報したことを後悔しているとの調査結果がある(4月20日日経)。

 上級管理職が不正を働くと、その発見はほぼ内部通報による場合に限られる。特に、社長、支店長や現法長などによる犯罪行為はそうだ。「経営者による内部統制の無効化リスク」として内部管理の教科書にも定義されている。この内部通報を司るのはコンプライアンス部門や内部監査部門などだろう。同部門は、通報しやすいか、通報者に不利益が及んでいないかなど、制度の運用が適正になされているかを厳格に評価しなくてならない。ゆめゆめ通報が少ないことを喜んでいてはならない。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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