指名委員会等設置会社の統治の実効性

 指名委員会等設置会社は、会社の統治構造でもっとも進んだ形態と考えられている。しかし、指名委員会の実施回数は、1~17回のばらつきがあるようだ(12月13日日経調べ)。1回という会社は、委員会は作ったが、たいした議論の材料がなかったという形式に埋没したケース、17回は(代表)取締役指名に深刻な争いがあったケースだろう。
 いずれにせよ、新規の取締役を選定するときに独立性は審査要素になるだろう。とすると、メインバンクや同じ財閥系企業出身者は、独立性要件で排除される可能性が高い。従来のメイバンク統治や財閥内お手盛り人事異動的任用は、徐々になくなっていくのだろう。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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