無形事業資産担保融資
企業借入の担保は不動産に偏っている。金融庁主導で、担保種類を、将来のキャッシュフローを生むであろう、技術力やのれんなどの無形資産に広げようとしている(1月25日日経)。もっとも、無形資産を含むすべての事業資産を担保にすることは「事業信託」として経験したことがある。本質は変わらないものの、公示や執行についても制度化しようということなのだろう。
しかし、担保権者たる信託会社(銀行)が技術力など無形の資産を評価し、これらを管理するには相応の費用がかかる。これを補ってなお有利な条件で借入ができるとすれば、その企業はもともと無担保でも借りられる優良企業か、大企業に限られるのではないか。少なくとも、中小企業の事業承継などには無縁の制度となりそうだ。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2024.12.27
奈良 正哉
所有者不明土地の調査
所有者不明土地の調査を国が代行してくれることになる(12月22日日経)。これで再開発の活性化を見込…
-
2024.12.26
奈良 正哉
スタートアップに中高年転職
スタートアップに転職する中高年が増加している。20代、30代を押さえて、40代以上は2022年に比…
-
2024.12.25
奈良 正哉
香港不動産の苦境
香港の不動産市況は中国本国の余波を受け芳しくない。賃料はピークの半分になっているとのことだ。これで…
-
2024.12.24
奈良 正哉
貸金庫ビジネスの行方
三菱UFJ事件の後、時々貸金庫について聞かれる。ただ支店事務の経験がないのでよく知らないというのが…
奈良 正哉のコラム
-
2024.12.27
奈良 正哉
所有者不明土地の調査
所有者不明土地の調査を国が代行してくれることになる(12月22日日経)。これで再開発の活性化を見込…
-
2024.12.26
奈良 正哉
スタートアップに中高年転職
スタートアップに転職する中高年が増加している。20代、30代を押さえて、40代以上は2022年に比…
-
2024.12.25
奈良 正哉
香港不動産の苦境
香港の不動産市況は中国本国の余波を受け芳しくない。賃料はピークの半分になっているとのことだ。これで…
-
2024.12.24
奈良 正哉
貸金庫ビジネスの行方
三菱UFJ事件の後、時々貸金庫について聞かれる。ただ支店事務の経験がないのでよく知らないというのが…