小利に動かされざるは難し

 文科省の幹部が幼稚園連合会からの接待で処分された。数年前の汚職事件で幹部が逮捕されて、再発防止に努めていたはずだったが機能しなかった。役人の接待では総務省幹部が、菅総理の子息による接待で処分された例も記憶に新しい。
 コンプライアンス意識の欠如と言ってしまえばそれでまでだが、コンプライアンスを超えるなにか大きな力が作用するのだろうか。
 佐藤一斎の言志四録にこういうのもある。「爵禄を辞するは易く、小利に動かされざるは難し。(給与を辞退するのは易しいが、目先の小さな利益に動かされないことは難しいの意)」

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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