米国銃規制

 米国で銃撃事件が起きるたびに銃規制の強化が叫ばれ、毎度潰れていく。最近では、連邦最高裁でNY州の銃規制が違憲とされた。銃規制強化が実現されない理由として、全米ライフル協会の存在や、憲法の保証する銃所持の権利があげられる。しかし一つのロビー団体が議会を支配することはできない。憲法にしても過去何度も改正されている。
 米国人の約4割が銃を所持し、総所持丁数は総人口を超える。どんな悲惨な乱射事件が起こっても、銃規制派は多数派にならない。米国の銃所持者から銃を取り上げることは、明治期に旧武士から刀を取り上げたときのような、重大な権利侵害なのだろう。自分とその家族は自分自身が守る。安全を公権力に依存しない。米国人にとって、銃は独立した個人の魂のような感覚なのだろう。自分の身の安全を、公権力、はては他国・他人に依存しがちな日本人とは感覚が180度違うのだろう。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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