ロシアの民間人虐殺

 ロシア軍による民間人の虐殺や民間施設への攻撃が「非人道的」として非難されている。こうした行為は、前線の兵士や傭兵の独断で行われ、中央の統制が効いていない証拠だと思っていた。しかし、ニューズウィーク日本版先週号によれば異なる。こうした非人道的な行為は、スターリン以前からのロシアの伝統とのことだ。民間人の犠牲も自軍兵士の犠牲も意に介さない。むしろ民間人への攻撃で相手の戦意を喪失させるのが、ロシアのお家芸なのだそうだ。日本も第二次大戦末期の満州で経験している。
 リーダーが代わっても、また関与した戦争のたびに「非人道的」との非難を浴びながらも、この伝統を守ってきたのだから、国民性そのものが非人道的なのだ、というのは言い過ぎか。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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