後継者難による廃業

 都内では、2021年度、後継者難による倒産が過去最多となった(4月8日日経)。後継者難によって即資金繰りが詰まるわけではない。だから倒産というよりも廃業だろう。
 中小企業の後継者がいないという状態は、昨日今日に始まったわけではなく、かなり前からそういう状態だった。後継者が見つかるということはむしろ奇跡に近い幸運で、見つからないのが普通であろう。経営者にとっては、後継者を見つけて育てる努力をするのと同時並行的に、いかにスムースに(誰にも迷惑をかけないで)廃業するか、そのタイミングを計るという最後のミッションを意識することも重要だ。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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