カジノをめぐるニュース

 横浜市がIR(カジノリゾート)からの撤退を表明してから、あまりIR関連のニュースは見なくなった。まれに見るのは悪いニュースばかりだ。コロナで来場者は激減して事業者の経営を直撃している。マカオでは、中国当局の「みんなで豊かになろう」政策や「汚職撲滅」キャンペーンで、カジノにとって一番おいしい富裕層の来場が途絶えた。中央当局者と繋がりのあるカジノ関係者が狙い撃ちされて廃業にいたったケースも多い。
 これまで日本におけるIRについては、依存症対策の名目で、いかに来場者が来られないようにするかばかり議論していた印象がある。そろそろいかに来場者を増やすか、収益を増やすかの議論もしないと、IR施設はただの「箱」になってしまう。かつて地方都市がこぞって作った「箱」の巨大版にならいといいが。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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