持ち合い先にも反対票

 三井住友信託銀行は、来年度行使分から政策保有株式の議決権行使基準を設ける。業績不振やガバナンス不全の持ち合い先については、取締役の選任について反対票を投じる(11月11日日経)。
 同社はすでに政策保有株式を、中期的にゼロにすることを宣言している。今回の措置は、不良な持ち合い先側から、手切れの要請が来ることを期待している側面があるだろう。同社側としては、持ち合い解消=政策保有株式の売却は、不良先を優先するという意思表示とも言えるだろう。
 こうした動きは広がるだろう。持ち合い株式、政策保有株式、安定株主といった概念は徐々に消滅していくだろう。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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