三井住友信託銀行行員の逮捕

 三井住友信託銀行社員が詐欺容疑で逮捕された(11月2日日経)。「特別有利な金融商品があるから預けてくれ」と勧誘する古典的な手法による詐欺だ。第一生命のカリスマ営業幹部の手口と基本的には同じだ。
 こうした事故を防ぐために、金融機関は、社員の担当顧客を頻繁に替え、さらに頻繁に転勤させて、社員が顧客と「必要以上」に親密にならないような手当をしている。加えて、社員には強制的に長期連続休暇を取得させている。また、管理職の単独(担当者抜きで)顧客訪問も実施している。それでも防げない。顧客の損害は金融機関が賠償することになるが、金銭よりも評判への打撃が痛い。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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