信託銀行の株主事務の行方

 株主総会での議決権を、信託銀行を経由せず機関投資家が直接電子行使する機会が増えそうだ(9月27日日経)。株券という紙はすでにない。加えて議決権行使書という紙もなくなりそうだ。さらに総会自体もバーチャルの利用が増えていくだろう。
 信託銀行はこれまで、「紙」の大量集中処理と物理的な総会開催を前提に株主事務や総会の運営助言をしてきた。今後は、すべてITを前提にしたサービスを求められるだろう。信託銀行の関連サービス部門自体も、IT人材を取り揃えないと企業側が求めるサービスを提供できなくなるだろう。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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