取締役選任即代表解任

 地銀の山口FGの代表取締役吉村氏が、株主総会で「取締役」として99%の賛成を得て再任された直後、取締役会で「代表」を解任された(7月9日日経)。取締役は株主総会で決めて、代表者は取締役会で決めるから、手続的に違法はない。代表は解任されたが、取締役としては残る。もっとも、全会一致で解任された取締役会に、取締役として今後も参加することはないだろう。
 株主総会での信任は、取締役としてだけではなく、実質的に代表者としての信任でもあっただろうから、取締役会による株主への裏切りとも思える。同氏がどういう人で何をやったのかは詳しくはわからない。企業統治のあり方として、今後の同社の説明に注目したい。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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