固定資産税に気を付けろ
今週号のエコノミストの特集は「固定資産税に気を付けろ」だ。2021年は3年に1度の固定資産の評価替えの年度にあたる。また、コロナ対策として一定の減免措置が取られるからだろう。
固定資産税は、課税庁が課税額を計算して、一方的に納税者に賦課してくるものだ。納税者が自分で計算して申告する所得税などとは異なる。納税者は課税額計算のプロセスに関与していないから、課税庁が計算を間違えたら納税者はわからないことがほとんどだ。また、いわゆる「お上意識」があって、お上たる課税庁は間違えないだろうという意識もあるだろう。同誌の記事は、この時期送られてくる課税庁からの「課税明細書」を鵜呑みにするなというのが主な内容になっている。
当事務所は過去に払いすぎた固定資産税の還付を業務として行っているが、対象は大企業の保有する大規模な不動産に限定している。個人の住宅などは過大評価されているケースがほとんどないのと、仮にあったとしても還付額は大した額にならないからだ。固定資産税の還付を本格的にやろうとすれば、税理士が単独で手に負えるようなものではない。個人ではなおさらだ。労多くして実入りは少ない(ない)だろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.01.20
奈良 正哉
固定資産税還付訴訟
払い過ぎた固定資産税を返してくれ、という訴訟の弁論が17日最高裁で行われた。対象の固定資産は複雑な…
-
2025.01.17
山田 重則
複合構造家屋において低層階の構造の経年減点補正率を適用することは適法か?
固定資産税の金額を大きく左右する「経年減点補正率」は、建物の構造がSRC造/RC造なのか、それともS…
-
2025.01.17
山田 重則
固定資産税実務Q&A
<総論> Q 固定資産税の過大徴収はどの程度起きているか? Q 近年、新聞報道された過大徴収事案には…
-
2024.09.30
山田 重則
Q 近年、新聞報道された過大徴収事案にはどのようなものがあるか?
A 近年、新聞報道された主な過大徴収事案は、下表のとおりです。ここから読み取れることは、①過大徴収は…
奈良 正哉のコラム
-
2025.04.22
奈良 正哉
リアルキングの勝ち
体調を崩して、仕事もコラムも休んでいた。短文を書くくらいには復調したのでまた書いてみる。 米中関…
-
2025.04.07
奈良 正哉
株式投資の理由
株価の暴落が止まらない。今株式投資をする「よすが」は、配当ということになろうか。大手優良企業でも、…
-
2025.04.04
奈良 正哉
アメリカ時代の終わり?
トランプ関税のおかげで世界中の株価が暴落している。アメリカ経済への打撃はもちろん、隣国や欧州から特…
-
2025.04.02
奈良 正哉
旧統一教会に解散命令
先日旧統一教会に解散命令が出た。私が同教会の存在を知ったのは50年も前のことだ。特異な勧誘方法で、…