固定資産税に気を付けろ
今週号のエコノミストの特集は「固定資産税に気を付けろ」だ。2021年は3年に1度の固定資産の評価替えの年度にあたる。また、コロナ対策として一定の減免措置が取られるからだろう。
固定資産税は、課税庁が課税額を計算して、一方的に納税者に賦課してくるものだ。納税者が自分で計算して申告する所得税などとは異なる。納税者は課税額計算のプロセスに関与していないから、課税庁が計算を間違えたら納税者はわからないことがほとんどだ。また、いわゆる「お上意識」があって、お上たる課税庁は間違えないだろうという意識もあるだろう。同誌の記事は、この時期送られてくる課税庁からの「課税明細書」を鵜呑みにするなというのが主な内容になっている。
当事務所は過去に払いすぎた固定資産税の還付を業務として行っているが、対象は大企業の保有する大規模な不動産に限定している。個人の住宅などは過大評価されているケースがほとんどないのと、仮にあったとしても還付額は大した額にならないからだ。固定資産税の還付を本格的にやろうとすれば、税理士が単独で手に負えるようなものではない。個人ではなおさらだ。労多くして実入りは少ない(ない)だろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2024.10.20
山田 重則
固定資産税実務Q&A
<総論> Q 固定資産税の過大徴収はどの程度起きているか? Q 近年、新聞報道された過大徴収事案には…
-
2024.09.30
山田 重則
Q 近年、新聞報道された過大徴収事案にはどのようなものがあるか?
A 近年、新聞報道された主な過大徴収事案は、下表のとおりです。ここから読み取れることは、①過大徴収は…
-
2024.09.28
山田 重則
Q 固定資産評価審査委員会の決定が誤っていた場合、自治体は賠償責任を負うか?
A 自治体による固定資産の評価額(登録価格)を法的に争うには、まずはその自治体の固定資産評価審査委員…
-
2024.09.28
山田 重則
Q 固定資産の評価額が修正された場合、不動産取得税は還付されるか?
A 不動産取得税の法定納期限から5年以内の場合には、都府県に申入れをすることで不動産取得税も還付され…
奈良 正哉のコラム
-
2024.10.30
奈良 正哉
ふるさと納税は続くよどこまでも
ふるさと納税で資金流出が顕著な23区からの怨嗟の声は、間欠泉のように新聞に載る。不合理な制度だから…
-
2024.10.29
奈良 正哉
オリンパス社長辞任
オリンパスのカウフマン社長が、違法薬物所持の疑いで辞任させられた(10月29日日経)。みっともない…
-
2024.10.28
奈良 正哉
刑法240条(強盗致死傷)
「強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の拘禁刑に処し、死亡させたときは死刑又は無期拘禁刑に…
-
2024.10.25
奈良 正哉
「選挙は買い」が潰れる
石破総裁誕生のときは日経平均2,000円安で「歓迎」された。その後総選挙に入って与党過半数割れの予…