ブラック職場と天からの啓示

 日経「私の履歴書」に現在連載されているのは、和歌山の世界企業、島精機の島会長だ。同社の創業期は、ご本人の述懐によればブラック職場そのものだ。存命経営者で最も尊敬を集めている京セラ創業者の稲盛会長によっても、その創業期はブラック職場であった。同氏が繰り返し書かれているように、仕事のために寝食を忘れ、とことんまで追い込むことによって、天からの啓示を受ける。これが、思いもよらぬ発見や発明や工夫を生んできたのだろう。
 ワークライフバランスの中では、みんなそこそこ幸せだ。しかし、時代を変革するような発明や発見は期待できないのかもれない。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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