コロナ被災企業の正念場

 コロナ禍で、自ら休業、廃業する企業は増加している。他方、倒産件数は予想に反して減少している。昨春以降の資金繰り緊急融資が効いている(1月14日日経)。ただ、今春以降にその融資の期日もやってくる。同額の借換えはともかく、その後さらに悪化した資金繰りを埋めるための増額融資に、銀行は応じてくれるだろうか。
 昨春の緊急融資はその名のとおり、とりあえず貸すことが主眼で、ろくな審査はやっていなかったとの話はあちこちで聞く。1年後に期日を迎える時にはそのような対応は取れないだろう。銀行は通常時のように審査をするだろう。コロナ被災企業は、今春以降正念場を迎えるのだろうか。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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