「紙」でやる議決権行使
多くの企業の株主総会事務を請負う三井住友信託銀行が、長年にわたり、行使期限ぎりぎりに到達した議決権行使書を、事務の便宜を優先して、集計に加えなかったと報じられている(9月24日日経)。同行の姿勢は非難されるべきだ。ただ、問題の本質は、「議決権行使書」という「紙」を、人力で集計するアナログな事務手続きにある。株主総会の招集通知も「紙」だ。そもそもは権利の存在を示す株券も文字通り「紙」だった(今は電子的に登録される)。企業、株主、株主総会事務を司る信託銀行それぞれが電子化を本気で目指さないと、電子行使が一般的になっている欧米に、さらに後れをとることは明らかだ。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 |
---|
奈良 正哉のコラム
-
2024.12.27
奈良 正哉
所有者不明土地の調査
所有者不明土地の調査を国が代行してくれることになる(12月22日日経)。これで再開発の活性化を見込…
-
2024.12.26
奈良 正哉
スタートアップに中高年転職
スタートアップに転職する中高年が増加している。20代、30代を押さえて、40代以上は2022年に比…
-
2024.12.25
奈良 正哉
香港不動産の苦境
香港の不動産市況は中国本国の余波を受け芳しくない。賃料はピークの半分になっているとのことだ。これで…
-
2024.12.24
奈良 正哉
貸金庫ビジネスの行方
三菱UFJ事件の後、時々貸金庫について聞かれる。ただ支店事務の経験がないのでよく知らないというのが…