コロナの開示
コロナによる業績影響については、投資家が知りたい最新の情報のトップであり、その要請も高い。他方で、企業側としては、よくわからないので答えたくないところだろう。実際に被った売上や利益の減少だけを公表しても、一定の前提を置いて予測値を公表しても、どちらも結果的には真実からは遠くなるだろう。だから数字だけ一人歩きされると困る、というのが企業の本音だろう。12月決算の会社は3月後半に株主総会が迫る。大相撲に倣って、無観客ならぬ無株主総会としたいところだが、それもできない。出席株主の安全を確保しつつ、答えにくいコロナの影響についての質問を捌くという、二重の負担を負うことになる。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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