リブラを目の敵にしていても
フェイスブックが発行を目論んでいる暗号資産リブラについて、中島教授の解説記事がある(12月26日日経)。リブラはよくできているので、その分中央銀行から目の敵にされているとの内容だ。たしかに安全性と流動性の高い暗号資産は、法定通貨の領域を侵犯するものとして、中央銀行にとっての脅威であることは間違いないだろう。中央銀行に信頼のない途上国では、リブラが法定通貨を完全に駆逐するかもしれない。ただ、リブラだけを目の敵にして、その発行に待ったをかけていても、その間隙をついて、中国はデジタル人民元の発行が秒読みだとされる。欧州でもデジタル通貨発行の動きがあるとの話も聞く。少なくとも、中国によって世界中の決済を支配されてしまうよりは、まだ、先進国当局の規制に従うとするリブラの方がまし、ということになるのではないか。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 |
---|
奈良 正哉のコラム
-
2024.12.27
奈良 正哉
所有者不明土地の調査
所有者不明土地の調査を国が代行してくれることになる(12月22日日経)。これで再開発の活性化を見込…
-
2024.12.26
奈良 正哉
スタートアップに中高年転職
スタートアップに転職する中高年が増加している。20代、30代を押さえて、40代以上は2022年に比…
-
2024.12.25
奈良 正哉
香港不動産の苦境
香港の不動産市況は中国本国の余波を受け芳しくない。賃料はピークの半分になっているとのことだ。これで…
-
2024.12.24
奈良 正哉
貸金庫ビジネスの行方
三菱UFJ事件の後、時々貸金庫について聞かれる。ただ支店事務の経験がないのでよく知らないというのが…