地銀の業純の投信依存

 地銀のいくつかは、本来的もうけを表す業務純益を、投信の解約益で膨らませていた(12月11日日経)。いつか見た光景だ。バブル絶頂期から崩壊にかけて、大手銀行は業務純益競争をやっていて、手っ取り早い方法として投信の解約益が使われた。典型的には、株価が上がると儲かる投信と、反対に株価が下がると儲かる投信を、同時に証券会社に作らせて、期末に益が出ている方、つまり株価が下がると儲かる投信のみを解約して、その解約益を業純に繰り入れるものだ。後に残されるのは、株価が上がると儲かる投信だ。そして本格的なバブルの崩壊を迎え、この投信は多額の含み損を抱えた。政策保有株とともに株価リスクは膨大なものとなり、その後の決算を直撃し、格付けを下げる主要因ともなった。同じ道を行くのか。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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奈良 正哉

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