地銀の業純の投信依存
地銀のいくつかは、本来的もうけを表す業務純益を、投信の解約益で膨らませていた(12月11日日経)。いつか見た光景だ。バブル絶頂期から崩壊にかけて、大手銀行は業務純益競争をやっていて、手っ取り早い方法として投信の解約益が使われた。典型的には、株価が上がると儲かる投信と、反対に株価が下がると儲かる投信を、同時に証券会社に作らせて、期末に益が出ている方、つまり株価が下がると儲かる投信のみを解約して、その解約益を業純に繰り入れるものだ。後に残されるのは、株価が上がると儲かる投信だ。そして本格的なバブルの崩壊を迎え、この投信は多額の含み損を抱えた。政策保有株とともに株価リスクは膨大なものとなり、その後の決算を直撃し、格付けを下げる主要因ともなった。同じ道を行くのか。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 |
---|
奈良 正哉のコラム
-
2024.07.19
奈良 正哉
バイデン氏撤退包囲網
バイデン氏撤退包囲網は狭まっているようだ。現在はともかく任期終盤にはとても重職が務まるとは思えない…
-
2024.07.18
奈良 正哉
夏のボーナス
「夏ボーナス3年連続最高」との見出しが本日7月18日の日経トップだ。日経が音頭をとって消費を盛り上…
-
2024.07.17
奈良 正哉
中国GDP4.7%
中国の不動産については大手事業者の支払い停止や事業撤退など悪いニュースに事欠かない。不動産価格も下…
-
2024.07.16
奈良 正哉
地銀政策保有から純投資へ
地銀では保有株式の保有目的区分を、政策投資から純投資に振り替える動きが盛んだそうだ(7月11日日経…