問題なのは関電だけか?

 企業不祥事は定期的に起こって、このコラムのネタにも困らないが、今度は関西電力だ。報道されているとおり、関電にもコンプライアンス上・ガバナンス上の大きな問題はある。だが、相手方たる高浜町はどうなのか。助役という地方官僚ポストに、一人の人間を長期間居続けさせ、町の財政の大きな部分を占める原発関連の支配者として君臨させ、果ては、退任後も隠然たる実力者であり続けさせた、というのは、町側のガバナンスにも大きな問題があったのではないか。おそらく町長よりも偉い人・誰も逆らえない人だったのだろう。陰から企業(今回は町)を支配していたという意味では、かつての総会屋を思い起こさせる。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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