地銀の生きる道

 地銀の生きる道は、地場の銀行であると同時に、地場の投資会社になることではないかと思っている(9月4日日経参照)。かつて商社は、手数料をもらって顧客に代わって物を販売する、口銭ビジネスが主体だった。しかし、顧客が力をつけるにつれ、口銭はどんどん薄くなり、商社冬の時代といわれていた頃もあった。それが世界中の資源開発を中心に、リスクを取って「投資」することを主力ビジネスにしてから、最近までの隆盛がある。地銀もわずかな利鞘を求めて融資競争をするのではなく、リスクを取って企業に投資するビジネスに転換したらどうか。融資は投資(株式)よりも企業が倒産した時の弁済順位が高く、銀行規制上も投資よりリスクは小さいとされる。しかし、実際に地銀が融資している企業にピンチが訪れたとき、真先に融資債権放棄という犠牲を強いられるのは地銀だろう。その意味で融資も投資も実質的にリスクの大小はないのではないか。反面融資は利鞘が限られるが、投資はリターンに限度はない。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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奈良 正哉

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