社外役員は取締役会で反対できるか
社外取締役や社外監査役が、執行部提案の議案に対して、取締役会という公式な場面で、反対意見を述べるのは勇気が要る。だからなかなかできない。それをやるのが社外役員の役目だろうといわれれば返す言葉もないが、実際には難しい。やっぱり日本人はちゃぶ台返しを好まないからだ。もちろん会社の命運を決するような議案には決然と意見を述べなければ、会社のためにもならないし、自身の善管注意義務も果たせない。ただそこまでの議案ではなく、会社のガバナンスの体制や運営に対する注文であれば、取締役会の外側で、社長や担当役員に伝えるか、執行と話をすれば済む。そのためには、取締役会の時間だけを確保するのではなく、前後に時間を取って、社長や執行とフランクな話ができるようなスケジュールにすることが必要だろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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