社外役員はお飾りに徹すべし?
株主総会シーズンが終わり、昨年より多くの社外取締役や監査役が選任されたことだろう。さてその社外役員の責任であるが、古くは大和銀行ニューヨーク支店、最近ではスルガ銀行の例を見ても、知らなかった(知りえなかった)取締役や監査役の責任は問えないとされる。ある意味当然とも言えるが、裏を返すと、社外役員が自分の身を守るためには、知らないことに徹すること、すなわちお飾りに徹することが一番だ、ということになる。しかしこれではわざわざ社外役員が存在する意味もないだろう。社外役員といえども、否だからこそ、時間の許す限り、地方、海外、本部、営業所等に足を運び、従業員の生の声を聴く努力をするべきだろう。「知らなかった→無罪」ではなんのためにいるのかわからない。本来「知る努力をしなかった→有罪」であるべきだろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 | |
---|---|
業務分野 |
関連するコラム
-
2025.03.18
島村 謙
労働市場の変化と非上場企業の効率性
東京証券取引所が、MBO(経営陣が参加する買収)に関する新しいルールを設ける旨が報じられています(…
-
2024.09.13
奈良 正哉
株主対策は信託銀行
知った顔の写真が日経(9月13日)に載っていたので、また信託のことを書いてみよう。信託銀行は企業の…
-
2024.06.18
島村 謙
株主総会の答弁で大切なこと
1.株主総会の現代的な意義 ガバナンスコード等の影響により、機関投資家の株主にとっては、経営陣と直接…
-
2024.05.14
横地 未央
障害のある人への「合理的配慮の提供」はできていますか
2024年4月1日から、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下「障害者差別解消法」と…
奈良 正哉のコラム
-
2025.04.07
奈良 正哉
株式投資の理由
株価の暴落が止まらない。今株式投資をする「よすが」は、配当ということになろうか。大手優良企業でも、…
-
2025.04.04
奈良 正哉
アメリカ時代の終わり?
トランプ関税のおかげで世界中の株価が暴落している。アメリカ経済への打撃はもちろん、隣国や欧州から特…
-
2025.04.02
奈良 正哉
旧統一教会に解散命令
先日旧統一教会に解散命令が出た。私が同教会の存在を知ったのは50年も前のことだ。特異な勧誘方法で、…
-
2025.04.01
奈良 正哉
フジHD第三者委員会公表
昨日、フジテレビはゴールデンアワーを使って第三者委員会の調査報告書を公表していた。テレビの好きな人…