LIXILその後

 LIXILの株主総会では、取締役の選任について会社提案が一部退けられ株主提案が可決されて、取締役会の構成としては株主提案取締役が多数を占めることになった。ただこれで内紛が終結することにはならないだろう。LIXILはトステムやINAXなど同業数社の合併会社でその歴史は浅い。今回の騒動が前CEO潮田氏個人の資質によるものなのか、背景に合併各社の主導権争いがあったのかはわからない。ただ、多くの合併会社の例のとおり、LIXILでも合併各社の軋轢もまだ存在していると見るべきだろう。とすると、役職員は、新旧CEO派×旧合併各社派に縦横に分断され、とても外を見た営業に専念する環境にはないかもしれない。割を食うのは顧客ばかりということになる。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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