政策保有株式の削減
大手銀行は長年政策保有株式の削減に悪戦苦闘してきた。事業計画の最重要課題のひとつとして掲げながら、株式発行取引先の抵抗にあって思うように削減できなかった。そのたびに「岩盤」という言葉が使われた。これ以上の削減を取引先に要求すると、取引関係に大きな影響が出るということだ。ところがコーポレートガバナスコードが出て、銀行に株式を保有されている企業側も、政策保有株式の削減に取り組まざるを得なくなった(6月12日日経参照)。銀行のように資本規制やリスク管理上の要請はないから、切羽詰って取り組まなければならないとまでは言えないのだろうが、企業側からも削減動機が出てきたので、相互に「岩盤」なる存在はなくなるのだろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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