ふるさと納税からの離脱
東京都はふるさと納税から離脱するそうだ(4月12日日経)。ふるさと納税は、地方自治体から見れば納税者主体の税収入の再配分ではあるが、東京都のような大都市から見れば、税収入の引き剥がしということになる。自らこの仕組みに参加していては、制度に対する反対姿勢が鮮明にならないということだろう。今後このような自治体が増加していくかはわからない。制度には疑問を持っていても、背に腹は代えられないというところがほとんどだろう。制度のもう一つの側面は、高所得者ほど税控除の恩恵に与かれる額が多くなるという逆進性だ。逆進性は他の寄附でも同じだろうが、ふるさと納税では、高所者ほど、2000円でより高額の返礼を受けられるという見た目が逆進性を際立たせる。仮に納税者単位に上限規制が導入されれば、ふるさと納税の成長も止まるかもしれない。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 |
---|
奈良 正哉のコラム
-
2025.04.07
奈良 正哉
株式投資の理由
株価の暴落が止まらない。今株式投資をする「よすが」は、配当ということになろうか。大手優良企業でも、…
-
2025.04.04
奈良 正哉
アメリカ時代の終わり?
トランプ関税のおかげで世界中の株価が暴落している。アメリカ経済への打撃はもちろん、隣国や欧州から特…
-
2025.04.02
奈良 正哉
旧統一教会に解散命令
先日旧統一教会に解散命令が出た。私が同教会の存在を知ったのは50年も前のことだ。特異な勧誘方法で、…
-
2025.04.01
奈良 正哉
フジHD第三者委員会公表
昨日、フジテレビはゴールデンアワーを使って第三者委員会の調査報告書を公表していた。テレビの好きな人…