バブル崩壊のとき見た風景

 4月1日日経トップは、中国の銀行で発生している不良債権を、アメリカのファンドが買っているとの記事だ。日本でもバブル崩壊のときに見た風景だ。日本の銀行は買いたたかれていることを十分に承知していながら、まとめて売る(「バルクセール」と呼ばれた)ことのできる米国ファンドに売らざるを得なかった。このような米国ファンドは「はげたかファンド」と呼ばれて、弱った日本の金融機関を食い物にしていると、情緒的かつ不合理な批判がなされた。同日の日経はトルコの外貨準備急減を報じている。トルコリラ危機だ。日本のバブル崩壊のときもアジア通貨危機が起こっていた。もちろん要因は異なるが、似た風景である。背中に冷たさを感じるニュースが期初から報じられた。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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奈良 正哉

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