不動産より現金が好き

 リバースモゲージと呼ばれる自宅担保融資に関心が集まっているようだ(3月2日日経参照)。リバースモゲージはかつて複数の大手銀行でも商品化された記憶があるが、売ることなくいつの間にか各行とも撤退したと思われる。それが最近になって徐々に利用者が増えているようだ。リバースモゲージはおおざっぱに言えば、高齢者が自宅を担保に金を借りて、死んだら自宅が売却されて返済に充てられるというものだ。だから相続人には自宅という不動産は残らないのが基本だ。最近利用者が増えているのは、社会風潮として、自宅という不動産へのこだわりが、高齢者にもその相続人にも希薄になって、より現金志向になっているということの現れでもあるだろう。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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