3月11日大川小のこと
3月11日のできごとの中でも最も悲しいことの一つは、児童や職員の多くが亡くなった大川小学校のことだろう。人は、不治の病を告げられた時や身内の突然の不幸など、自分の力ではいかんともできない本当の不幸に接したとき、「なぜ」という問いから逃れられない。「なぜ私だけ、なぜ私の子供だけ・・・。」大川小学校の遺族も同じ思いだろう。裁判が行われて学校側の防災上の不備が認められた。だから、「なぜ」への答えは出ているともいえる(上告されているが)。ただ、裁判が確定して学校の不備が法律上の原因としては確定しても、遺族はまた次の「なぜ」を探しかねない。「なぜ、あの日学校に行かせたのか。風邪気味で頭が痛いようなことを言っていたのに・・・。」事実を心から受容できるまで「なぜ」に苦しむことになる。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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