第三者委員会至上主義
企業はもちろん大学や官庁まで、不祥事が起きると弁護士を中心とした第三者委員会が招集されて、不祥事の原因などの調査をする。弁護士からみると、一昔前の株主総会指導から第三者委員会へ、企業法務における飯の種は移ってきているとの印象だ。不祥事を起こした企業は第三者委員会を組成するのにあたり、報酬を値切ったり、事務所のショッピングをしたりはしないということだろう。ただ、第三者委員会の出した結論が全て、といった第三者委員会至上主義は危険だし、企業の自浄能力の涵養にマイナスだ。第三者委員会に丸投げで思考停止に陥ってしまうと、企業の内部統制は高度化の機会を逸し、不祥事に対する反省もどこか他人ごとになってしまう危険もある。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2024.11.15
奈良 正哉
指名委員会は本物に
法定の他に任意の設置も含めて、指名委員会は機能しているようだ。社長後継者の選定議論を行っている割合…
-
2024.11.14
奈良 正哉
KADOKAWAフリーランスいじめの正当化
フリーランスをいじめても担当者の個人的な利益はない。むしろいやな気持で対応してきたのだろう。「悪い…
-
2024.11.11
奈良 正哉
内部通報者への不利益処分に罰則
企業内の不祥事、特に経営者や経営幹部の不正行為を早期に発見するには、内部通報しかないと思っている。…
-
2024.11.01
奈良 正哉
社外取締役兼職
社外取締役の3社以上の兼職が24%に、女性に限れば34%になるそうだ(10月30日日経)。かくいう…
奈良 正哉のコラム
-
2024.11.21
奈良 正哉
新築マンション価格高騰
10月の新築マンション価格は、首都圏で9,239万円、東京23区に限れば1億2,940万円だそうだ…
-
2024.11.20
奈良 正哉
オワコンメディア
大接戦のはずがトランプ大勝。後半追い上げのはずが斎藤大勝。メディアの偏向報道が非難されている。他方…
-
2024.11.15
奈良 正哉
指名委員会は本物に
法定の他に任意の設置も含めて、指名委員会は機能しているようだ。社長後継者の選定議論を行っている割合…
-
2024.11.14
奈良 正哉
KADOKAWAフリーランスいじめの正当化
フリーランスをいじめても担当者の個人的な利益はない。むしろいやな気持で対応してきたのだろう。「悪い…