合法的男女差別雇用制度の廃止

 三井住友銀行が総合職と一般職の区別をなくして一本化する計画だそうだ(3月1日日経)。思えば根拠不明確なまま男女で雇用差別が行われていたのを改め、その根拠を与えたのが、総合職と一般職の区別だ。建前は男女どちらでも2つの職種にエントリーできたが、実質は総合職は男の職種、一般職は女の職種だった。その後、総合職が女性にも開放されて「女性総合職」なる言葉が生まれた。30年超前だったと記憶している。日本企業で生え抜きの女性役員が少ないのは、そもそも管理職まで展望できる職種である総合職に就いている女性が少なかったためだ。やっとリーディング企業がこれを改めることになった。記憶では新生銀行などはかなり以前からやっているが、同行は外銀的要素が濃いからかもしれない。男女の差別が廃止されると、いよいよ年齢による差別であるところの定年制も廃止に向かうかもしれない。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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