特別養子年齢引き上げ
特別養子の対象年齢上限が現行の6歳から15歳に引き上げられる見込みだ(2月15日日経)。方や、子供に恵まれないカップルがあり、方や、実親に虐待されて亡くなる子供がいる。これらのミスマッチを解消するのは重要だ。記事中触れられていないが、特別養子は普通養子と異なり、実親との親子関係が切れることに特徴がある。逆に言えば、普通養子は、実親との関係はそのままに、養親と併せ二重の親子関係を持つことになる。これが後に複雑な相続手続きを生むことがある。幼いころ普通養子に行ってその後何十年も経過して、実親や他の兄弟達の存在すら忘れた頃に、実親の相続が開始され、見も知らぬ兄弟達から遺産相続の場に引きずれ出されることがあるからだ。何のことかわからない、どうしたらいいのかわからない、ただただ面倒なだけだろう。相続手続きをいたずらに遅延させる場合がある。特別養子にはそうした懸念がないことにも隠れた意味はあるだろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.02.20
奈良 正哉
認知症でも証券投資
認知症になっても、親族が代理人になって証券投資(新規購入)が続けられるようにするそうだ(2月20日…
-
2025.02.18
奈良 正哉
遺産国庫帰属10年で3倍
相続する人がいなくて、結局国庫に帰属した遺産は10年間で3倍、1,000億円超になったそうだ(2月…
-
2025.01.30
奈良 正哉
身元保証
独居高齢者が増加するにつれ「身元保証」が問題になっている(1月8日日経)。身元保証人は病院や施設に…
-
2025.01.17
奈良 正哉
後見人行政申立て
認知症高齢者を保護する制度として後見人制度がある。後見人の申立てをするのは、制度上第一に親族が位置…
奈良 正哉のコラム
-
2025.02.21
奈良 正哉
取締役高齢化
他人のことは言えないが、取締役は高齢化しているそうだ(2月20日日経)。主な理由は、社外取締役への…
-
2025.02.20
奈良 正哉
認知症でも証券投資
認知症になっても、親族が代理人になって証券投資(新規購入)が続けられるようにするそうだ(2月20日…
-
2025.02.19
奈良 正哉
中国人がやってくる
「ニッポン華僑100万人時代」と称して日経はカラー写真付き全面特集記事を掲載している(2月19日か…
-
2025.02.18
奈良 正哉
遺産国庫帰属10年で3倍
相続する人がいなくて、結局国庫に帰属した遺産は10年間で3倍、1,000億円超になったそうだ(2月…