社外取締役の実効性 運営の問題
取締役会の議事が多い、したがって取締役会資料も大部にわたる会社が多いのではないか。「当社の取締役会には山羊が住んでいるのか。」と皮肉を言った取締役がいた。なんでも取締役会に報告しておけば、後から痛くもない腹を探られる心配はない。資料として提出されていれば報告した証拠になる。ということで、議事と資料は自然法則のように増える。大量の資料を直前に渡されても社外取締役は目を通すことすらできない。事務局による事前説明も一方的な説明になりがちだ。なんとかして議事と資料を最低限に固定しないと、取締役会の実効性、とくに社外取締役の実効性の向上は難しい。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 | |
---|---|
業務分野 |
関連するコラム
-
2024.09.13
奈良 正哉
株主対策は信託銀行
知った顔の写真が日経(9月13日)に載っていたので、また信託のことを書いてみよう。信託銀行は企業の…
-
2024.06.18
島村 謙
株主総会の答弁で大切なこと
1.株主総会の現代的な意義 ガバナンスコード等の影響により、機関投資家の株主にとっては、経営陣と直接…
-
2024.05.14
横地 未央
障害のある人への「合理的配慮の提供」はできていますか
2024年4月1日から、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下「障害者差別解消法」と…
-
2024.05.14
山田 重則
弁護士が使う、文章の説得力を高めるための5つの視点
2024年4月3日(水)12時~13時にて、「弁護士が使う、文章の説得力を高めるための5つの視点」の…
奈良 正哉のコラム
-
2024.11.21
奈良 正哉
新築マンション価格高騰
10月の新築マンション価格は、首都圏で9,239万円、東京23区に限れば1億2,940万円だそうだ…
-
2024.11.20
奈良 正哉
オワコンメディア
大接戦のはずがトランプ大勝。後半追い上げのはずが斎藤大勝。メディアの偏向報道が非難されている。他方…
-
2024.11.15
奈良 正哉
指名委員会は本物に
法定の他に任意の設置も含めて、指名委員会は機能しているようだ。社長後継者の選定議論を行っている割合…
-
2024.11.14
奈良 正哉
KADOKAWAフリーランスいじめの正当化
フリーランスをいじめても担当者の個人的な利益はない。むしろいやな気持で対応してきたのだろう。「悪い…