社外取締役の実効性 取締役側の問題
社外取締役に選ばれる側の就任基準もまた問題があるだろう。まずは不祥事などが発生しなさそうな企業ないし業種が望ましい。かつては銀行などがその最たるものであったろうが、これからはかえって危ないかもしれない。日産のような超大企業でも不祥事は発生するからなかなか難しい。次に報酬が基準になるだろう。報酬は拘束時間との兼ね合いで考慮される。拘束時間は、標準的には月1回2時間の取締役会プラスアルファといったところか。「拘束時間が短い=関与の程度が低くてよい」が就任基準になっているから、牽制機能もたいして期待できないことになる。他方、社外取締役でありながら、社員と一緒に、国内はおろか海外まで行って、従業員の生の声を聞こうとしている方もいる。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 | |
---|---|
業務分野 |
関連するコラム
-
2024.09.13
奈良 正哉
株主対策は信託銀行
知った顔の写真が日経(9月13日)に載っていたので、また信託のことを書いてみよう。信託銀行は企業の…
-
2024.06.18
島村 謙
株主総会の答弁で大切なこと
1.株主総会の現代的な意義 ガバナンスコード等の影響により、機関投資家の株主にとっては、経営陣と直接…
-
2024.05.14
横地 未央
障害のある人への「合理的配慮の提供」はできていますか
2024年4月1日から、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下「障害者差別解消法」と…
-
2024.05.14
山田 重則
弁護士が使う、文章の説得力を高めるための5つの視点
2024年4月3日(水)12時~13時にて、「弁護士が使う、文章の説得力を高めるための5つの視点」の…
奈良 正哉のコラム
-
2024.11.21
奈良 正哉
新築マンション価格高騰
10月の新築マンション価格は、首都圏で9,239万円、東京23区に限れば1億2,940万円だそうだ…
-
2024.11.20
奈良 正哉
オワコンメディア
大接戦のはずがトランプ大勝。後半追い上げのはずが斎藤大勝。メディアの偏向報道が非難されている。他方…
-
2024.11.15
奈良 正哉
指名委員会は本物に
法定の他に任意の設置も含めて、指名委員会は機能しているようだ。社長後継者の選定議論を行っている割合…
-
2024.11.14
奈良 正哉
KADOKAWAフリーランスいじめの正当化
フリーランスをいじめても担当者の個人的な利益はない。むしろいやな気持で対応してきたのだろう。「悪い…