マンション修繕の闇
今週の東洋経済の特集は「マンション絶望未来」と題され、その中で、修繕積立金を食い物にする悪質なコンサルタントの手口が紹介されている。12月1日の日経にも同様の事実が紹介されている。悪質なコンサルタント跋扈の原因は記事中の分析に詳しいが、マンションの修繕などは総じて小規模な工事だから大手のゼネコンは手を出さず、コンプライアンス態勢の脆弱な中小企業を中心に受注されていること。発注者である管理組合の理事はマンション管理の素人であること。さらにそれが毎年代わること。などもあげられるだろう。理事にたまたま建設関係の仕事をしている人がいればまだしも、素人だけなら悪質コンサルタントと談合体質の残る業者によって手玉に取られるのは必然ともいえる。せっかくマンション管理士という資格もあるのだから、企業の社外役員よろしく有料でそういう人を社外理事として招くのも一案ではないかと思う。新規分譲マンションなら、管理組合の社外理事としてマンション管理士や弁護士がいることを謳えば、付加価値になるのではないかとも思う。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 | |
---|---|
業務分野 |
関連するコラム
-
2024.11.15
奈良 正哉
指名委員会は本物に
法定の他に任意の設置も含めて、指名委員会は機能しているようだ。社長後継者の選定議論を行っている割合…
-
2024.11.14
奈良 正哉
KADOKAWAフリーランスいじめの正当化
フリーランスをいじめても担当者の個人的な利益はない。むしろいやな気持で対応してきたのだろう。「悪い…
-
2024.11.11
奈良 正哉
内部通報者への不利益処分に罰則
企業内の不祥事、特に経営者や経営幹部の不正行為を早期に発見するには、内部通報しかないと思っている。…
-
2024.11.01
奈良 正哉
社外取締役兼職
社外取締役の3社以上の兼職が24%に、女性に限れば34%になるそうだ(10月30日日経)。かくいう…
奈良 正哉のコラム
-
2024.11.21
奈良 正哉
新築マンション価格高騰
10月の新築マンション価格は、首都圏で9,239万円、東京23区に限れば1億2,940万円だそうだ…
-
2024.11.20
奈良 正哉
オワコンメディア
大接戦のはずがトランプ大勝。後半追い上げのはずが斎藤大勝。メディアの偏向報道が非難されている。他方…
-
2024.11.15
奈良 正哉
指名委員会は本物に
法定の他に任意の設置も含めて、指名委員会は機能しているようだ。社長後継者の選定議論を行っている割合…
-
2024.11.14
奈良 正哉
KADOKAWAフリーランスいじめの正当化
フリーランスをいじめても担当者の個人的な利益はない。むしろいやな気持で対応してきたのだろう。「悪い…