留学生の就職難

 東洋経済の今週号の採用特集の中に、売り手市場の中、留学生だけは就職難であるとの記事がある。一つの理由が、企業側が日本人と同じ程度の日本語レベルを求めるところにあるとしている。留学生はすでに大学で通用する程度の日本語ができる。ビジネスで使うテクニカルタームは限られている。仕事をしていく中で、すぐに日本人社員とそん色ないビジネス日本語のレベルになるだろう。さらにいえば、総合的な語学力という意味では、平均的日本人大学生にあるのは、日本語と、使えない英語と、たしなみ程度の第二外国語だけだ。留学生は母国語と、使える日本語と、おそらく使える英語がある。優劣はどちらにあるのか明らかだ。働き方改革のキーワードの一つとして、ダイバーシティ&インクルージョンがある。日本人と違った文化的背景や思考様式があり、しかも日本を好んで来てくれた留学生を採用しない理由はない。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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