高齢者にもリスク商品
認知症患者、広く言えば高齢者の金融資産を社会に還元していくには、成年後見では足らず、任意後見やホームロイヤー(扱いは現在第二東京弁護士会のみ)という本人の意思に基づく支援者が必要だろう。さらに、資産処分に自由度の高い民事信託(家族信託)の活用も必要だろう。また、資産をリスク商品への投資に向けるなら、適合性原則を画一的に提供するのではなく、高齢者といえども個人の意思や能力を反映した柔軟な取扱いが必要だろう。高齢者用投信、任意後見人・ホームロイヤー用投信など、高齢者やその支援者向けリスク商品の開発などはどうだろう。「高齢者向け」「高齢者支援者向け」と銘打てば投資への心理的ハードルは下がるのではないか。
鳥養総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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