地銀の天下り頭取

 先週号のエコノミストによれば、大蔵、日銀出身の地方銀行経営者が減少しているとのことであるが、むしろまだ存在しているのに驚いた。大蔵や日銀には優秀な人間が集積しているだろうが、職場としては民間銀行以上に創意工夫のない世界のように思える。そんな環境で長年育った人間に何を期待しているのだろう。これから待ち受ける困難に立ち向かっていけるのだろうか。旧日債銀の最後には立て続けに日銀出身者が頭取を務めたが、裁判にかけられたり(無罪)、自殺したりしている。近い将来金融危機が再来するかはともかく、地銀にとって厳しい経営環境が予想される中、天下り側としても順送り人事の一環として、火中の栗を拾わされるのはどうなのか。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

 

関連するコラム

奈良 正哉のコラム

一覧へ