異次元緩和の出口は企業国有化?

 これまで日銀の異次緩和については出口はどうするのだろう?という程度の傍観者であったが、今朝の日経一面の「企業の4割、日銀が大株主」という記事を見て動揺した。企業統治の側面からみると、日銀の議決権はETFという仕組みの中で、運用会社・信託銀行を通じて行使されるから、日銀は「物言わぬ」株主というわけではない。他方、日銀は議決権を直接行使するのではなく、運用会社の議決権行使基準を通じて間接的に行使されるから、日銀による企業統治への直接干渉というのはないといってよい。その意味で日銀を通じて企業が国有化されるということはない。ただ、日銀が多くの企業の大株主であるという事実は何か気持ち悪い。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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