個人の空き家対策は売り逃げに限る 2
不要な不動産をいつ売るかといえば、なるべく早期に売るに限る。住居としての不動産の買替は、田舎から都会へ、郊外から中心部へ、駅遠から駅近へという流れがほぼ定着しているかの様相である。自治体の進めるコンパクトシティ構想も同じ流れだ。だから、田舎、郊外、駅遠の不動産の所有者(あるいは相続予定者)は、過去の売買事例にとらわれず、奇特な買手がいれば即売り決めることがいい。どう売るかといえば、不動産(空き家であっても潜在的空き家であっても)の処分権限を一人に集中して、簡易かつ迅速に意思決定出来るようにすることが肝要である。そのためには相続とともに空き家化が予想される不動産は、被相続人が存命のうちから民事信託をして、相続発生時はもちろんその前に認知症になっても、受託者一人の裁量で売却できるようにしておいた方がよい。相続発生まで何も手当てをせず、相続により共有になってしまうのはなんとしても避けたい。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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