企業内不祥事

 不祥事あるいは事故は企業の末端で発生する。本店ではなく支店で発生する。東京ではなく地方や海外で発生する。主要業務・主要製品ではなく傍流業務・付属的商品で発生する。理由は簡単である。関心をもって監視している人が少ないからである。収益目標の小さい支店に管理部門や役員はどれだけ足を運ぶか。海外にどれだけ足を運ぶか。利益を生まないような商品にどれだけ関心があるか。さらにいえば、その拠点・その商品をどれだけの人が知っているか。関心がないと監視は画餅に堕ちる。現場が実質的になんでも独自に完結できる。そこに不祥事が生まれる土壌が醸成される。現場責任者が独裁者ならなおさらだ。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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