銀行のピンチ 7

 地銀の外債運用で損失が膨らんでいるとの日経記事があった。外債投資の中心である米国の金利が上昇しているためである。記事は地銀の運用体制の脆弱性を指摘する。数人の運用担当者がろくな情報インフラもなくやっていれば、うまくはいかないだろう。違った観点で気の毒なのは、おそらくどの運用担当者も絶えず益出しのプレッシャーがかかっていることだろう。国内の業務純益を補填することを絶えず求められてきただろう。含み益の出ている債券は売られ、反対に含み損のある債券は継続保有される。その結果、金利上昇期にあるべきポートフォリオとは真逆のポートフォリオになり、身動きが取れなくなってさらに含み損を拡大するという構図になっていることも予想される。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

投稿者等

奈良 正哉

奈良 正哉のコラム

一覧へ