民事信託の信託財産

 信託は財産の管理や処分をその知見のある者に任せる財産管理の仕組みだから、管理や処分が難しいので、知見のある者にそれをやってもらいたい高額な財産を信託するのが基本である。逆に言うと自分で管理ができるものや、さほど高額でないものは信託する必要性が薄い。また例えばすぐに処分することが計画されている不動産は高額な財産であることに異論はないが、信託財産にすることによりその所有者が受託者名義に登記されていると、信託に慣れない地方の不動産仲介業者などは、売却の仲介に思わぬ時間を要することになるかもしれない。そこで、そういう不動産は信託しないでおくのも選択肢となる。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

 

関連するコラム

奈良 正哉のコラム

一覧へ