みんなの「労働法」

 エコノミストの今週号の特集は「みんなの労働法」である。電通事件発生直後ほどではないが、最近も労務問題は頻繁に経済紙等にとりあげられている。労務問題は、法律を含む制度問題から個々の従業員の処遇まで切り口が広い。また面白い(深刻な)エピソードを拾いやすいこともとりあげ頻度に影響しているだろう。民事訴訟の問題は結局は金の問題であり、解決方法もほとんどが金である。だから多くの弁護士もそういった金で解決する思考に慣れているだろう。しかし労務問題は、従業員の生死や健康といった取り返しのつかない、したがって金で真の解決はつけられない問題もある。だからこそ予防的な対応が強く求められる。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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