司法修習生の就活について思うこと
めっきり春めいてまいりましたね。
私は毎日花粉との壮絶なる闘いを繰り広げておりますが,皆さまは如何お過ごしでしょうか?
最近,街中でリクルートスーツに身を包んだ就活生をよく見かけるようになりました。
司法修習生の就活も,そろそろ本格化してくる頃かと思います。
弁護士の就職氷河期,就活でお悩みの司法修習生の皆さまに,この場をお借りして私から一つアドバイスをさせて頂きます。
それは,
「節操なくナンパをするな。本当に好きな人に心のこもったラブレターを送れ。」
ということです。
法律事務所において採否の決定権を握っているのは,通常は事務所のボス弁です。
とすれば,自分がボス弁になったつもりで,どんな人材を採用したいかを徹底的に考えることが,司法修習生の就活のカギとなります。
たとえば,就活中の司法修習生AさんとBさんがいたとします。
Aさんは,「ひまわり求人求職ナビ」等で求人情報を得て,少しでも気になる事務所には片っ端からエントリーシートを送ります。Aさんは,より多くの求人にエントリーすることに時間を費やし,各事務所に送るエントリーシートの内容はほとんど変わりません。
一方,Bさんは,自分が「この人のもとで働きたい!」と思えるボス弁を探すことに時間を費やします。
気になる事務所のボス弁のブログを見たり,著書を読んだりして,ボス弁の方向性と自分の方向性が合っているか,自分がその事務所に入所した場合に,ボス弁に対して・事務所に対して,具体的にどのような貢献ができるのかをしっかりと検討するのです。
その結果,Bさんは,「この人のもとで働きたい!」と心から思えるボス弁を見つけ,そのボス弁に対し,自分とボス弁は方向性がこんなにも合っていて,もし自分を採用してもらえたら,ボス弁や事務所に対してこんなにも貢献できますよ,ということを伝える手紙を一生懸命書いて送りました。
さて,あなたがボス弁の立場なら,AさんとBさん,どちらを採用したいと思うでしょうか?
私なら,司法試験の点数や学歴がAさんの方が高かったとしても,実際に面接したときのコミュニケーション能力に差がなければ,確実にBさんを採用すると思います。
単純にBさんの方がかわいく感じますし,入所後の成長見込みやクライアントの心をつかむ能力は,AさんよりもBさんの方がはるかに上だと思うからです。
と,こんな話を自分が司法修習中にもさんざん同期の子達にアドバイスしましたが,結局みんな実践せずに最後まで就活に苦戦している様子でした。
騙されたと思って,ぜひ一度ラブレター戦法を試してみることを切におすすめ致します。
☆★弁護士 川久保皆実★☆
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